Interview

M. K.

研究開発(化学系 基盤技術)

1997年入社 理学部化学科 卒

現在の仕事を詳しく教えてください。

分析チームは主にゼオングループ内の研究開発や製造プロセスにおける様々な課題について、分析・解析技術による技術支援を行っています。事業の損失に関わるトラブルに対応する時もあります。例えば、成形品の表面で場所によって見た目が違うんだけどなぜ?物性向上に効果があった添加剤がどう機能しているのか知りたい・・・など。製品形態が多様化し、課題も複雑化している中で、開発部門や工場から寄せられる課題の糸口を見つけるためにチーム皆で頭を悩ませることも多いですが、相手部門との議論を重ねてアプローチ方法を提案し、原因が究明できた時には大きな達成感を感じます。
 元々はナノメートルサイズの微小領域の分析に携わっていましたが、昨年からリーダーとして、いかに一人一人の能力を生かしながらチームとして大きな力を出せるか、組織活性化にも取り組んでいます。

あなたが一番、“挑戦”した仕事を教えてください。

昨年リーダーになってからの業務が会社人生の中で一番の挑戦です。今も挑戦中ですね。リーダーはチームの方向性を決め、課題達成にチームを導く役目を担います。ゼオングループの事業貢献のため、充分な技術支援を行っていくにはチームがどうあるべきか、チームメンバーのモチベーションを上げるためにはどうするべきか、チーム内でも議論を重ねながら進めています。メンバーが取り組んでいる課題が上手くいかないときは、課題の背景や目的を再確認しながら、現状のデータから示されることは何か、アプローチ方法が最適なのか、議論を行って計画を見直します。
分析チームはゼオングループのあらゆる製品、分野から相談が来ることもあり、社内の製品に対する幅広い知識もある程度必要になります。それに加えて、リーダーになった当初は、チーム内の幅広い分析技術も熟知しないと務まらない、とかなり先行きに不安を感じたのですが、そこは各技術の専門のメンバー達が支え、フォローしてくれてました。一人一人の力が合わさった時に、足し算でなくそれ以上の力が発揮できる、そんなチームにしていきたい、というのがリーダーになった時に描いた思いですが、効果が分かるのはもう少し先ですね。

仕事の中で、“つながり”を感じたエピソードは?

私が所属する研究所での仕事は、相手部署だけでなく、研究所内で各専門分野の担当同士、時には大学や装置メーカーとのディスカッションが日常的に繰り返されます。ある材料の解析を行った時は、研究所内でチームを超えて解析内容を分担し、相手部署も含めて月1回程度のディスカッションをしながら機構解明まで達成することができました。多方面からのディスカッションでは様々なアイディアが浮かびます。また、そこで築かれた関係は次の仕事にもつながっていきます。
 どんなときでも人との縁は大切に、機会があれば積極的に人と関わるようにしています。昔先輩に言われた一言が今の自分につながっていたり、一緒に仕事をする機会があった他社の方と思わぬところで遭遇したり。デジタル化が進んでいくこれからも大事にしていきたいところです。

自分を“磨くため”にしていることは
ありますか?

長い会社人生ですが、その時その時で変わっています。微小領域の分析に携わっていた時はその分野の技術動向を広く収集できるような活動をしていましたが、今目がいくのは、これからの時代がどう変わっていくのか、その中で柔軟に対応するにはどうしたらよいのか、という内容のセミナーや記事ですね。ゼオンでは自社で推奨する研修プログラムも充実しています。日々、なかなか時間が取れないことも多く、休日に、子供達の騒音をイヤホンでシャットアウトして、学びの動画を見ながら洗濯物を干したり食器を洗ったりすることもありますね。ただ、そういったことが苦痛になる精神状態の時はやりません。知りたい、という欲求が勝らないと、いい刺激につながらない、と思っています。

オフの過ごし方を教えてください。

大学でオーケストラ部に参加しており、そこから始めたヴァイオリンを今も細々ながら続けています。中2の娘に技術であっさり抜かれてしまっていますが、子供達がもう少し大きくなったら市民オーケストラに参加できたらいいですね。
平日仕事を終えた夕方からは子供達に怒り爆発することも多く、皆が寝静まった夜、一人で音楽を聴きながら漫画や本で気分をリセットして就寝、です。

後輩になる学生へのメッセージと
就職活動のアドバイスをお願いします。

今は、デジタル化の波が押し寄せ、グローバル化や多様化など働き方においても変化の激しい時代です。もし自分が今就職活動をするなら、未来をどう描いているのか、変化に柔軟に対応できそうか、という視点はポイントにすると思います。
化学メーカーの研究所は、大学とは違った発見や刺激がたくさんあります。ものづくりを感じながら研究がしたい方にはおすすめですね。

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