Interview

Y. O.

研究開発(計算科学/デジタル科学)

2017年入社 基礎工学研究科 卒

現在の仕事を詳しく教えてください。

各研究所で日々生み出される実験データを集めて機械学習によるデータ解析を行い、実験の効率化や隠れた重要因子のあぶり出しに取り組んでいます。歴史のある会社なだけに各テーマの全体像も大がかりなことが多く、データモデリングとデータ収集体制の構築に多くの時間がかかります。ミクロからマクロまで、あらゆる階層の物理が複合的に影響している高分子は変数の数も膨大です。それでも実験担当者と一つ一つの変数を粘り強く確認していく丁寧さと、収集ルールをチーム全体に展開する大胆さを織り交ぜて、質・量の両面でデータベースを育て、それに伴って機械学習モデルが賢くなっていくことに楽しみを見出しています。

あなたが一番、“挑戦”した仕事を教えてください。

一番の挑戦と言えばキャリアの方向性を大きく変えたゼオン入社前のことになります。キャリア初期はアカデミアでグラフェンの結晶成長メカニズムなどの理論研究をしており、一人、コンピュータにかじりつく日々でした。そんななか企業の実験家と共同研究をする機会に恵まれ取り組むうちに、自分の技術が産業界でも役立つこと、人と連携しチームとして相乗効果を生み出す楽しさを知りました。バックグラウンドの異なるメンバーで作るチーム内ではコミュニケーション能力やリーダーシップが重要です。自分のシミュレーション内容を如何に伝えるか、興味を抱かせ、実験提案に結びつけるにはどういった議論を展開すればいいか、慣れない場面の連続でした。しかし実験家の潜在的なニーズとの紐づけ作業を繰り返すことで徐々にその要諦を掴むことが出来るようになりました。その後、縁あってゼオンへ。ゼオンのネットワークを生かし現在は部署・会社・国籍を跨いだ異種混合チームを多く作っています。

仕事の中で、“つながり”を感じたエピソードは?

世の中は意外と狭いもので10年以上を経て再会し、また一緒に仕事をするような機会もあります。過去に違った分野にいた社外の方が現在自分の関心のある分野にシフトして活躍されていることを知り、久しぶりに連絡してみたところ、双方の弱みを互いの強みで満たせることが分かりました。今はそれぞれの同僚も巻き込んだ共同研究に発展。これからどんな化学反応が起きるのか、進捗を楽しみにしています。こういった再会を担保するのは過去の良好な関係です。人に対して丁寧に。後の人生につながる伏線を散りばめておくことの大切さを感じています。

自分を“磨くため”にしていることは
ありますか?

入社直後、自分としても会社としても経験ゼロの状態で研究データを材料開発に活用する”マテリアルズ・インフォマティクス(MI)”の研修に通わせてもらいました。週1、2日のペースで半年間に渡ってフロントランナー達による実践的な講義・演習を受けるというもので、このときの取組みが今や主業務になった研究開発データの活用の基盤になっています。当初はそれだけの時間を投資する価値があるものなのか自分自身でも半信半疑なままの受講提案だったのですが、「まずはやってみよう」と即座に社員を送り込むゼオンの柔軟性を感じた場面でした。

オフの過ごし方を教えてください。

オフの時間は育児に全投入です。夕方早々にPCを閉じては保育園に駆け込む毎日で、多趣味だったはずが気付けば今は無趣味です。目まぐるしい毎日ですがふと振り返ればオン・オフとそれぞれに充実した二つの人生を楽しんでいて、それに応じて成長している自分に気づくことがあります。

後輩になる学生へのメッセージと
就職活動のアドバイスをお願いします。

日本ゼオンでは自ら行動を起こす者には必ず協力者が現れます。組織として新しい挑戦をバックアップするだけの器があり、とはいえその成果が埋もれてしまうほど大きすぎるわけでもなく、自ら課題を見つけ、ゴールまでの道筋をデザインし、能動的に挑戦したい人には理想の環境です。
自己実現の場としてゼオンを利用する。このような方お待ちしています。

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