環境
理念と行動指針に基づく環境安全活動
レスポンシブル・ケアとは「化学物質を製造し、または取り扱う事業者が、自己決定・自己責任の原則に基づき、化学物質の開発から製造、流通、使用、最終消費を経て廃棄にいたる全ライフサイクルにわたって『環境・安全・健康』を確保することを経営方針において公約し、環境・安全・健康面の対策を実行し、改善を図っていく自主管理活動」のことをいいます。
当社は、日本レスポンシブル・ケア協議会(現日本化学工業協会レスポンシブル・ケア委員会)に1995年の発足当初から加盟し、レスポンシブル・ケアの理念を継続して実践しています。1998年にはレスポンシブル・ケアの理念に基づいて具体化した「レスポンシブル・ケア行動指針」を制定しました。
- 1環境保護は、社会の公器としての企業の使命である
- 2環境保護は、独創的技術で達成できるとの信念が基本である
- 3環境保護は、全員が使命感を持ち、挑戦することにより達成される
- 1安全は、事業活動の基盤であり、全てに優先する。
- 2安全は、全ての事故を防止できるとの信念が基本である。
- 3安全は、5S ※と一人ひとりが責任を持つことにより達成される。
- ※5S:整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Shitsuke)
- 1環境・安全の優先
環境・安全を守ることは企業活動の大前提であり、全てに優先させる。そのために、事故防止の施策と全員への教育・訓練を継続・徹底し、保安・環境事故の防止に努める。
- 2化学製品の最新情報の収集、提供
化学製品が適切に取り扱われ、使用され、廃棄されるために必要な最新情報を収集、蓄積、整備して従業員および使用者に提供する。
- 3有害化学物質、廃棄物排出の極小化
有害化学物質の排出削減、廃棄物の減量化と循環化・再資源化のための技術開発に努める。
- 4省資源・省エネルギー活動の推進
地球温暖化防止の観点からも、全員参加の省資源・省エネルギー活動を積極的に進めるとともに、独創的技術の開発によりエネルギー使用量の飛躍的削減を目指す。
- 5環境・安全を配慮した新プロセス・新製品開発、品質保証
研究の初期段階から環境・安全面からの評価を確実に実施し、環境・安全に配慮した技術・製品の開発を行い、その品質を維持・向上することに努める。
- 6社会との共生
地域、国内外および所属する団体等の環境・安全に関する規制を遵守することはもちろん、その活動に協力するとともに、当社の活動について地域、社会から正しい理解が得られるようにコミュニケーションに努め、社会からの信頼の一層の向上に努める。
- 7継続的改善
「レスポンシブル・ケア監査」および「保安管理システム」、「ISO14001に基づく環境マネジメントシステム」、「労働安全衛生マネジメントシステム」の運用により、環境・安全に関する管理と技術を継続的に改善していく。
環境安全マネジメント
環境安全マネジメントシステムの全体像
レスポンシブル・ケアの考え方のもと環境安全マネジメントシステムを構築し、事業所・工場にかかわる全ての方々の安全を追求しています。なお、環境に関してはISO14001の外部認証を取得しています。

監査
さまざまな監査を通じて、マネジメントシステムが正常に機能しているかどうかを評価しています。
事業所レスポンシブル・ケア監査は、環境安全部長を監査長とする環境安全を対象とする監査です。レスポンシブル・ケア監査とレスポンシブル・ケア対話の2つに分けて実施しています。
- レスポンシブル・ケア監査
専門的視点でレスポンシブル・ケア活動実施状況を監査する
- レスポンシブル・ケア対話
経営層と各事業所メンバーが、監査では抽出されにくい事業所内の環境安全課題について一緒に考え、議論し、解決していく場
- グループ企業レスポンシブル・ケア監査
環境安全部長を監査長とし、グループ会社のレスポンシブル・ケア活動実施状況を対象とする監査
- 工場内監査
各工場で工場内監査を実施しています
環境安全教育
環境安全教育は、各事業所で年間計画を立てて実施しています。
本社環境安全部主催の全社共通の環境安全教育と、各事業所主催で事業所に密着した環境安全教育を行っています。
また、教育を通じて、事故・労働災害の撲滅と発生時の拡大防止に努め、地域に信頼される事業所を目指しています。
気候変動
2021年度よりスタートした中期経営計画において、全社戦略として『カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する』を掲げています。温室効果ガス(CO2)排出量(Scope1+2)の削減に関しては2030年度までに2019年度比50%削減(約39万t以下)を目標と設定しました。これを実現するために①徹底した省エネルギー、②技術革新、③エネルギー(燃料)転換によるCO2削減を主な課題として取り組んでいます。


化学品の安全情報
化学品に関する安全性情報を収集し、提供します。また、有害性評価にも取り組んでいます。
すべての製品について、GHS※1分類結果、製品の危険有害性、取り扱い時の注意事項などを記載したSDS(安全データシート)を提供しています。
また、一部の製品について、安全性に関する情報を安全性要約書として、GPS/JIPS※2に提供しています。
化学物質の有害性調査や安全性評価、環境影響調査などについて、LRI※3研究活動へ資金を援助し、IISRP※4極東部会では環境問題に関する調査・対策の検討と推進活動に参加しています。
- ※1GHS
Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals, 化学品の分類および表示に関する世界調和システム - ※2GPS/JIPS
Global Product Strategy/Japan Initiative of Product Stewardship, GPSは国際化学工業協会協議会(ICCA: International Council of Chemical Association)が進めている化学品管理の新たな自主的取り組み。日本では日化協がJIPSとして会員会社に参加を呼びかけ推進している。 - ※3LRI
Long-range Research Initiative, 化学物質が健康や環境に及ぼす影響に関する研究を長期的に支援する活動。国際化学工業協会協議会(ICCA)の自主活動の一つで、LRI会員企業から出資された基金をもとに、日米欧の化学産業界(日本化学工業協会、米国化学協議会、欧州化学工業連盟)の協力下で進められている。 - ※4IISRP
International Institute of Synthetic Rubber Producers, 国際合成ゴム生産者協会
動物実験に対する考え方
当社は、主に医療関連事業における新製品開発において、可能な限り動物を使用せずに評価を行います。ただし、人への臨床評価の前に、有効性、安全性、コンプライアンス等を確保するために、やむを得ず動物実験を執り行うことがあります。動物実験に際しては、「動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)」、「動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第68号)」(以下、「動物愛護法」という。)に準拠した社内規則に従います。
動物実験は、動物が命あるものであることにかんがみ、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないように配慮し、動物愛護法に準拠した実験計画に基づき動物実験を行うことを原則とし、併せて実験動物生産施設等福祉認証等の第三者からの認証を受けた外部機関を積極的に活用します。当社は日本動物実験代替法学会の賛助会員です。動物実験を行う場合は、日本動物実験代替法学会の推奨する3Rs(Replacement=置換、Reduction=削減 、Refinement=苦痛軽減)を適用します。
- 置換
動物を用いる試験を、動物を用いない、あるいは系統発生的下位動物を用いる試験法により代替すること
- 削減
試験法の改良や見直しにより、評価に必要な情報の精度を欠くことなく、実験動物数を減らすこと
- 苦痛軽減
動物に与える疼痛や苦痛を和らげる、除去する、あるいは動物福祉を向上させるように実験方法を改良すること
サステナビリティレポート

サステナビリティレポートではより詳しい報告を行っています。