資源と汚染防止

サーキュラーエコノミーの推進

シクロオレフィンポリマー(COP)のリサイクル

当社は大きな社会課題の一つであるサーキュラーエコノミーの取り組みを進めています。2022年1月にはシクロオレフィンポリマー(COP)のリサイクル技術を独自に開発し、これまで課題だった透明性や高純度を維持することに成功し、未使用の樹脂(バージン樹脂)と同等の品質レベルまで再生可能となりました。2022年10月にはこの技術を使用して高岡工場内に年産能力6,000トンのリサイクルプラントの建設を着工し、2024年の稼働を予定しています。当該プラントでリサイクルした樹脂は、光学フィルムの製造に再利用される計画であり、今後も見込まれる旺盛なニーズに応えていくとともに、CO2発生量の削減も進めていきます。

COPリサイクルの流れ
COPリサイクルの流れ

プラスチック使用製品産業廃棄物削減の取り組み

当社はレスポンシブル・ケア行動指針の3条で「有害化学物質、廃棄物排出の極小化」を掲げています。2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法において、当社はプラスチック使用製品産業廃棄物の多量排出事業者(250t以上)に該当しており、発生量の削減と中長期的な目標・計画の作成に取り組んでいます。

水課題への取り組み

当社グループでは、「水」が当社の製造を行う上で必要不可欠な資源であり、水資源の枯渇や水質の悪化などが生じた場合には、当社だけでなく地域社会も含め、大きなリスクになると考え、2022年度より本格的に水リスクに対する取り組みを開始しました。具体的には、今後以下のステップで取り組みを進めていきます。
①水リスクに関しての当社のリスクと機会の洗い出し
②水リスクへの全社方針と目標および指標の設定
③目標、指標に対するPDCAの推進
④取り組み内容のステークホルダーへの開示

水課題の取り組みのロードマップ
水課題の取り組みのロードマップ

有害化学物質の排出削減

大気汚染防止法で優先的に対策に取り組むべき物質(優先取組物質)として定められたブタジエンとアクリロニトリルについては、回収設備の導入、製造設備開口部からの蒸発を防止するための設備改善等に取り組み、計画的な排出量削減を進めています。
大気の汚染防止としては、硫黄(S)分の少ない重油の採用、天然ガス(LNG)への燃料転換などにより、大気汚染物質の排出量削減を推進しています。
排水の水質については、水質汚濁防止法や各自治体との協定(自主管理基準)を遵守しています。

廃棄物の削減

産業廃棄物の最終埋立処分量の削減について、当社の事業所では2011年度に達成した産業廃棄物ゼロエミッション(2007年度の産業廃棄物発生量の0.1%未満)を継続しています。
グループ企業については、2007年度に600トン以上最終埋立処分をしていましたが、2012年度以降、10トン前後にまで削減することができており、これは2007年度の産業廃棄物発生量の0.4%程度に相当することから、ゼロエミッション状態と考えています。今後は当社の事業所と同様に5トン以下を継続させることを目指します。

化学品の安全情報

情報提供

すべての製品について、GHS※1分類結果、製品の危険有害性、取り扱い時の注意事項などを記載したSDS(安全データシート)を提供しています。
また、一部の製品について、安全性に関する情報を安全性要約書として、GPS/JIPS※2に提供しています。

  1. ※1GHS
    Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals, 化学品の分類および表示に関する世界調和システム
  2. ※2GPS/JIPS
    Global Product Strategy/Japan Initiative of Product Stewardship, GPSは国際化学工業協会協議会(ICCA: International Council of Chemical Association)が進めている化学品管理の新たな自主的取り組み。日本では日化協がJIPSとして会員会社に参加を呼びかけ推進している。

有害性評価

化学物質の有害性調査や安全性評価、環境影響調査などについて、LRI※1研究活動へ資金を援助しています。また、IISRP※2亜細亜・太平洋部会における技術部会と環境部会に参画(年4回の定例会議、年2回の国際会議、各部会1名、合計2名)、国際的会合において、世界におけるゴム業界全体の技術向上、サステナビリティ推進に向けて積極的な活動を繰り広げています。

  1. ※1LRI
    Long-range Research Initiative, 化学物質が健康や環境に及ぼす影響に関する研究を長期的に支援する活動。国際化学工業協会協議会(ICCA)の自主活動の一つで、LRI 会員企業から出資された基金をもとに、日米欧の化学産業界(日本化学工業協会、米国化学協議会、欧州化学工業連盟)の協力下で進められている。
  2. ※2IISRP
    International Institute of Synthetic Rubber Producers, 国際合成ゴム生産者協会