ハイライト2

社会に貢献するゼオンの製品 未来を拓く高機能材料シクロオレフィンポリマー

ゼオンが世界に先駆けて独自に開発したCOP

ゼオンのシクロオレフィンポリマー(COP: Cyclo Olefin Polymer)は、優れた光学的・化学的性質をもち、「ZEONEX®」「ZEONOR®」の製品名で、光学フィルムやレンズ、医療、バイオテクノロジーの分野で幅広く利用され、高い評価を得ています。事業規模としても、2019年度売上高は568億円となっています。
現在、ゼオンのCOPはTVやスマートフォンの液晶パネル・有機ELパネル向け光学フィルム事業が多くを占めていますが、COPの特長は光学フィルムにとどまらず、2019年レポートで紹介した医療系用途を含め、多様なシーンで活用されうる可能性を秘めています。
今回は、電子機器素材としてのCOPの活躍を紹介します。

ゼオンのCOPの電子機器素材としての特長・機能向上ポイント
低吸水性(強度) 加水分解しにくく、強度を長期間保つことができる
低アウトガス性 樹脂から揮発する脱ガス成分が非常に少ない
化学的安定性 耐酸、耐アルカリ、耐アルコールに優れる
低誘電損失性 高周波領域での伝送損失が少ない
電気絶縁性 絶縁破壊強度が高く、電子部品の耐久性向上や小型化に有効
加工性・精密成形性 フィルムや成形品に加工しやすく、加工技術もある
寸法安定性が高く、精密成形にも向く
環境性能 焼却しても有害物質を出さない(CO2と水のみ)

自動運転や5G通信に貢献するゼオンのCOP

近い将来、市場の拡大が予想される自動運転や5G通信の分野では、センシングや通信、情報処理のために新たな電子機器が続々と開発されています。
これら新たな分野で要求される高い機能に、ゼオンのCOPが応えていきます。

フィルムアンテナのベース基材として

自動運転やモバイル5G通信では、より多くの情報をやりとりすることが予想されます。ゼオンのCOPが備える低誘電損失性は、情報密度が高い電気信号をきわめて少ないロスで伝えるためのアンテナ基板材料に適しています。
また、折り曲げても基材が破壊しない“耐屈曲性”も高く、自動車のガラス面に貼り付けるフィルムアンテナ用途としても期待できます。
液晶画面のフィルムにも使用されるCOPは、視野を確保しながら、大量のデータ通信を行うというような応用も考えられ、モバイル5G通信でも活躍します。

センシングカメラのレンズとして

衝突防止装置やドライブレコーダーで“目”の役割をするセンシングカメラのレンズは透明度や精密成形性が求められます。
ゼオンのCOPはこれまでもスマートフォンのカメラ用レンズとして数多く採用されてきました。拡大が予想される自動運転車では、周囲の監視のためにさらに多くのカメラとレンズが使用されることが見込まれます。

新開発の高耐熱性COP“L24”と半導体容器

COPを使用した半導体容器 (300mm~450mm の円盤状のウェハを数十枚格納し機械で搬送する)

これまでのCOPは約160℃が耐熱温度でした。しかし、新開発の“L24(開発コード)”では、結晶性を付与することにより、融点265℃と大幅な耐熱性向上を達成しました。通信関連用途で求められる耐熱性や耐屈曲性を確保するため、ゼオン独自の技術で樹脂の分子設計から改良し、これまでにない結晶性COPを生み出した結果です。
従来、半導体製造では多くのフッ素樹脂が使用されてきました。フッ素樹脂は、耐熱性や化学的安定性は高いものの、材料が高価で重量があり、製造時に温室効果ガスが発生し、焼却時は有毒ガスを排出するため、代替素材が求められてきました。
ゼオンのCOPは、化学的安定性の高さや低吸水性、低アウトガス性、焼却時の環境負荷の低さから、半導体製造工程において円盤状のウェハを収める半導体容器への使用が広がってきています。
さらにL24は、耐熱性向上により半導体の生産性向上につながるため、新しい素材として期待されています。