サプライチェーンマネジメント
基本的な考え方
当社グループは、サプライチェーン全体で環境・人権などの社会的責任を果たすためには、当社グループだけでなく取引先とベクトルを合わせ、共に取り組みを進めて行くことが不可欠であると考えています。その取り組みの指針として「ゼオングループ サステナブル調達ガイドライン」を制定し、取引先に対して本ガイドラインを共有し、趣旨の理解を求めています。
今後も、持続可能なサプライチェーンに向けた社会的要請を踏まえ、同ガイドラインを適宜見直し、取引先との協働によって環境・人権などの社会的責任を果たしていきます。
体制・システム
当社では、環境、社会、ガバナンス(ESG)の各側面を考慮し、強固で持続可能なサプライチェーンを目指します。これを進めていく体制として「サステナビリティ会議」およびその下部組織である「サステナビリティ委員会」を設置し、それぞれ年2回、定期的に開催しています。これらの会議体では、サプライチェーンも踏まえた人権尊重や環境の取り組みについても、必要に応じて審議・決定して、着実に施策を推進しています。またサプライチェーン上での法令・コンプライアンス違反や人権侵害等があった場合に受け付ける窓口としてサプライチェーン通報窓口を設置しております。
主要な取り組み
持続可能な調達の取り組み
当社は持続可能な調達を推進して行くために、お取引先様とともにサプライチェーン全体で人権などCSRに配慮した取り組みを進めています。具体的には下図のようなステップで実施しています。

① サステナブル調達ガイドラインの共有
持続可能なサプライチェーンの構築に向けた考え方をお取引先様と共有するため、2023年度に当社グループの調達の基本的な考え方を示した「サステナブル調達基本方針」を制定した上で、当社グループが取引先と持続可能なサプライチェーンの構築に向けて考え方を共有するため「サステナブル調達ガイドライン」を策定しました。2024年度には本ガイドラインを取引先に配布し、サプライチェーン全体において、当社のサステナビリティに対する姿勢と取り組み方針の浸透を図っています。
私たちゼオングループは、「サステナビリティ基本方針」に基づき責任ある調達活動を行うとともに、サプライチェーン全体で持続可能な社会の実現を目指します。
- 1法令・社会規範の遵守
私たちは、法令や社会規範を遵守し、企業倫理に基づいた公正な調達活動を行います。
- 2最適な原材料・製商品・サービスの調達
私たちは、よりよい製品を提供するため、安全性・品質・価格・納期・供給安定性・技術力を満たした最適な原材料・製商品・サービスの調達に努めます。
- 3地球環境への配慮
私たちは、環境保全、資源保全、生物多様性の保全等に配慮し、地球環境への負荷がより少ない原材料・製商品の調達に努めます。
- 4人権への配慮
私たちは、サプライチェーンにおける人権を尊重し、人権に配慮した原材料・製商品・サービスの調達に努めます。
- 5責任ある鉱物調達の推進
私たちは、紛争地域及び高リスク地域における紛争や環境破壊、人権侵害に関与しないよう、責任ある鉱物の調達に努めます。
- 6情報の適切な管理
私たちは、調達活動において知り得た秘密情報については、その重要性を理解した上で、適切な利用、管理、保護に努めます。
- 7開かれた購買姿勢とパートナーシップ
私たちは、お取引先をグローバルな視点で広く世界に求め、公正・公平で透明性のある取引機会の実現に努めるとともに、対話を通じてパートナーシップを構築し、相互の発展と持続可能な社会の実現を目指します。
サステナブル調達ガイドライン
② 取引先への調査
お取引先様のサステナビリティに関する取り組み状況の把握とリスクの洗い出しを行うため、原材料、資材、物流など各購買部門において、取引金額上位80%の取引先および人権等のリスクが高いと想定される取引先を対象に、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が提供する共通SAQ(Self-Assessment Questionnaire)に基づく調査を定期的に実施しています。
2024年度には、各部門計140社の取引先にSAQを送付し、134社から回答を得ました。未回答の6社については、各社のウェブサイトのサステナビリティに関する情報を確認し、現時点で重大なリスクは認められないことを確認しています。
③ 調査結果に基づくリスクの洗い出し・分析
上記調査の回答に基づき、お取引先様ごとにリスクを分析し要改善ポイントを明確にしています。
④ フィードバック
共通SAQに回答いただいたすべてのお取引先様に対し、③の分析結果を記載したフィードバックシートを提供しています。フィードバックシートには、人権・労働・環境などの各評価項目におけるスコア、全体平均点、前回との比較、総評などが記載されており、これにより、お取引先様が自社の取り組み状況を客観的に把握し、CSR活動の継続的な改善に役立てていただけるよう支援しています。
さらに、共通SAQのスコアが相対的に低いお取引先様や、CSR上のハイリスク原材料を取り扱うと想定されるお取引先様に対してフィードバック面談を実施しています。面談では「持続可能な調達」の重要性について説明するとともに、共通SAQに基づく取り組み状況の確認を行い、必要に応じて改善の要請を行っています。2022年度にフィードバック面談を実施した5社の平均得点率は283点(900点満点)でしたが、2024年度には488点へと大幅に向上しました。

2024年度においても、同様に11社とのフィードバック面談を実施し、下表のような対話を進める中で、継続的な改善に向けた取り組みを進めています。
CSR課題 | CSR活動の改善に向けた対話、取引先への助言の内容 |
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透明性の向上 |
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人権方針の策定 | グローバルコンパクトや経済産業省発行の策定手引き(ガイドライン)の紹介 |
紛争鉱物 | 紛争鉱物に関するリスクの管理状況の確認、課題の共有 |
サプライヤーのモニタリング
上述のデューディリジェンスを実施する中で、共通SAQの得点率の全体的な変化や、得点率の低い会社などの改善状況のモニタリングを実施し、必要に応じて追加の面談による改善に向けた対話を行うなど、リスク低減の取り組みを進め、持続可能なサプライチェーンの強化を図ります。
外部との協働
GCNJのサプライチェーン分科会に毎年参加し、その中で多様な見識を得ています。また当該分科会の成果物の作成・発行に積極的に関与し、当社の取り組みに反映させています。