品質マネジメント
基本的な考え方
ゼオンの企業理念およびサステナビリティ基本方針に従い、品質保証基本方針を次のように定めています。
- 1当社は、信頼性・安全性に優れた品質を有する製品、商品およびサービスを市場に提供し、社会に貢献する。
- 2ユーザーの要求を十分に把握し、かつ先取りし、ユーザーが満足して使える製品、商品およびサービスを供給する。
- 3品質保証の各ステップにおいて、信頼性・安全性に優れた品質を有する製品、商品およびサービスの評価を確実に行うことができる社内体制を確立する。
- 4製品、商品およびサービスの、信頼性・安全性に関する目標品質を作り込むことができる技術を確立する。
体制・システム
常にお客様の視点に立った製品をつくり、その品質を確実に保証するため、工場・事業部・研究所(総合開発センター)との連携を密にし、「製・販・技」一体となって、適正な全社的品質保証活動を進めています。

主要な取り組み
取り組み(課題) | 目標 | 実績 | 評価 |
---|---|---|---|
お客様からの不満やご意見へのタイムリーな対応 | 1年以内に対応を完了 | 1年を超える案件が発生した。ただし2025年4月に完了している。また再発防止として社内規則も同時期に改正済みである。 | ○ |
顧客満足の向上 | 顧客満足の解析と改善への取り組み | 顧客満足度調査を効率的に解析するために、新たなシステムを導入し、全社的および各部門における課題の把握を開始した。 | ○ |
品質保証を支える仕組み
お客様に高品質な製品を安定的に供給するため、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001:2015に適合した品質保証に関する社規に従い、さまざまな品質保証の仕組みを構築しています。
2010年には、ISO9001の認証を全社統合で取得し、以降、認証を維持してきました。当社グループ企業においても、品質に関する国際規格の認証を取得しています。
また、品質問題を未然に防止するため、毎年、全従業員を対象に実施しているeラーニングによるコンプライアンス理解度チェックの中で、実際に起こりそうな品質問題事例を取り上げ、解説を行っています。一人ひとりが品質保証について正しく理解し、業務に取り組めるよう努めています。
今後は外部環境の変化に適応した品質保証体制とするため、ISO9001認証を全社認証から事業所単位認証へと変更する予定です。
当社グループの品質に関する国際規格の認証取得状況
対象組織 | ISO9001:2015※1 | ISO13485:2016※2 | IATF16949:2016※3 | FSSC22000v5※4 |
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国内 | ||||
日本ゼオン(株) | ○ | ○※6 | ||
ゼオン化成(株) | ○※5 | |||
ゼオンポリミクス(株) | ○ | |||
ゼオンオプトバイオラボ(株) | ○ | ○ | ||
東京材料(株) | ○ | |||
(株)トウペ | ○ | |||
ゼオンメディカル(株) | ○ | |||
ゼオンノース(株) | ○ | |||
ゼオンケミカルズ米沢(株) | ○ | ○ | ||
海外 | ||||
Zeon Chemicals L.P. | ○ | |||
Zeon Chemicals (Thailand) Co., Ltd. | ○ | |||
Zeon Advanced Polymix Co., Ltd. | ○ | |||
Zeon Chemicals Singapore Pte. Ltd. | ○ | |||
Zeon Europe GmbH | ○ | |||
Zeon Chemicals Asia Co., Ltd. | ○ | |||
瑞翁化成塑料(常熟)有限公司 | ○ | |||
Zeon Kasei Mexico S.A. de C.V. | ○ |
- ※1ISO9001は、品質マネジメントシステムの継続的な改善を通して、製品やサービスの品質保証を行い、顧客満足の向上に取り組む国際規格です。
- ※2ISO13485は、安全で有用な医療機器の継続的な製造・供給を目的とした、医療機器分野における品質マネジメントシステムの世界標準規格で、ISO9001の一部の要求事項を省略し、医療機器に関する固有の要求事項を付加した規格です。
- ※3IATF16949は、IATF (International Automotive Task Force)が発行した、自動車産業のセクター規格で、ISO9001の要求事項に対して、自動車メーカーの要求事項を補完するものです。
- ※4FSSC22000 (Food Safety System Certification 22000)は、FSSC22000 財団によって開発された、安全な食品を製造するためのマネジメントシステムを認証する規格です。
- ※5物流資材部門は、一部の輸送容器に限定した範囲で認証を取得しています。
- ※6水島工場にて食品用合成香料の製造を対象に、FSSC22000の認証取得をしています。
製品安全を実現する仕組み
- 1)製品安全評価の実施
- 製品開発の初期から、製品の企画、設計、製造、販売、使用、廃棄段階までのライフサイクル全体を想定した製品安全評価 (PSR)※を独自の確認項目により実施し、あらゆる面から製品の安全性を確保するよう努めています。
- ※PSR(Product Safety Review):製品安全評価
- 2)化学物質規制遵守
- 昨今は、欧米はもとより東南アジアを含む海外において、化学物質に対する法規制の制定・改正が進み、日本国内を含めた化学物質管理に関する環境が大きく変化しています。それに伴い、遵守すべき事項も著しく増加しています。
当社では原材料および製品について微量な成分までデータベース化し、常に最新の法規制情報や安全性情報などをチェックできる化学物質管理システムを構築しています。
監査
- PL監査
- PL監査は、チェックリストによる事業部門および工場での自己監査と、コンプライアンス担当役員を責任者とする監査団によるPL(製造物責任)・製品安全を対象とした実地監査です。当社の事業部門の開発、製造、使用、最終消費、廃棄の全過程にわたる、製商品のPL活動に対して実施しています。
- 品質監査
- 品質監査は、重大な品質問題が発生した際に、品質保証部長を監査長とする監査団による、品質改善活動の実施状況確認を中心とした監査です。当社の事業部門および工場、研究所、グループ企業に対して実施しています。
- 内部品質監査
-
ISO9001:2015に基づき、当社の品質マネジメントシステムが効率的かつ効果的に運用されているかを評価し、その継続的な改善につなげることを目的とした監査です。ISO9001に基づく監査ではありますが、当社の社規を遵守することでISO9001 の要求事項を満たす仕組みのもと、顧客満足と全体最適を意識して取り組んでいます。
可能な限り他部門の監査員が監査チームを組み、全社を対象に実施しています。内部品質監査により課題を抽出し、仕組みの改善につなげています。
品質情報の管理
当社では、当社の製商品またはサービスの提供に対するお客様からの意見や不満を全て「クレーム」と定義し、クレーム対応システムにより、報告、審査、承認、納期管理などを行っています。また、お客様と締結した納入仕様書を遵守するため、納入規格、製品規格、製品検査規格が確実に整合するように設定される規格管理システムを導入しています。さらに、検査データは製品試験システムにおいて製品検査規格と照合され、合否判定がなされ、その結果はERPシステムに自動で送信される仕組みとなっています。
工程変更や工程異常についても、それぞれ有効性評価や応急処置、是正処置の報告・審査・配信を行うシステムを利用することで、確実な変更管理・逸脱管理を実施しています。現在、これらのシステムを連携させることにより、さらに確実かつ効率的な品質保証システムを構築中です。
新製品のリスク低減
当社では、生産準備段階から本生産への移行に際し、移行審査の中で、品質保証の観点からの総合的な審査(PSTR)※ 1を実施しています。
この審査では、製品の品質に関する項目、製品を構成する化学物質に関する情報、製造に関する情報の因果関係をデータに基づいて明らかにする「3D-QFD」、本生産後の潜在的な異常の未然防止を図る「FMEA」 ※ 2、製品規格および重要プロセス特性を測定するための試験方法や試験設備などを確認し、新製品が顧客の要求品質を満たし、かつ供給責任が果たせることを確実にしています。
- ※1PSTR(Product Stage-gate Transfer Review)
- ※2FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)
安全情報の発信
当社が取り扱う化学品の安全情報の発信に関しては「トップページ > 製品・事業 > SDS・chemSHERPAについて」に掲載しています。