気候変動

カーボンニュートラルマスタープラン

2021年度よりスタートした中期経営計画において、全社戦略として『カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する』を掲げています。温室効果ガス(CO2)排出量(Scope1+2)の削減に関しては2030年度までに2019年度比50%削減(約39万t以下)を目標と設定しました。これを実現するために①徹底した省エネルギー、②技術革新、③エネルギー(燃料)転換によるCO2削減を主な課題として取り組んでいます。

カーボンニュートラルマスタープラン
カーボンニュートラルマスタープラン
2030年を見据えてScope1+2を減らす 省エネ推進・プロセス革新・エネルギー転換

TCFD提言への賛同とCO2排出削減の取り組み

当社は2020年8月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。
今後は、TCFD提言を踏まえ、気候変動が当社事業に及ぼすリスク・機会を分析し経営戦略に反映することで経営基盤の強化を図り、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。
その取り組みは、中期経営計画における全社戦略『カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する』にも反映していき、中長期的には2050年を見据えたカーボンニュートラルマスタープランを策定し、そのプラン実現のための取り組みやCO2排出削減の進捗を開示していきます。

TCFD要請事項に対応した開示はサステナビリティレポート(P.17)をご覧ください

CO2排出削減の取り組み

国内工場のエネルギー転換を実施

国内生産拠点のうち4事業所(高岡工場・氷見二上工場・敦賀工場・徳山工場)において購入電力のすべてを100%再生可能エネルギー電力に転換しました。高岡工場ではCO2排出量が実質ゼロのカーボンニュートラルLNGの購入を契約しました。徳山工場では蒸気のCO2排出量削減のためグリーン熱証書の購入を契約しました。
川崎工場にて、東京ガス株式会社のカーボンニュートラル都市ガスを導入するとともに、カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンスに加盟しました。

インターナルカーボンプライシング制度(ICP制度)の導入

  1. 1社内炭素価格:10,000円/t-CO2
  2. 2制度対象:CO2排出量の増減を伴う設備投資
  3. 3適用方法:対象となる設備投資計画に伴うCO2排出量の増加/削減の影響を、社内炭素価格の適用により金額換算したものを投資判断の参考とする

NEDO*グリーンイノベーション基金事業に採択

  • 単層資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発

    使用済みタイヤやバイオマスなどの再生可能炭素資源から、炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品であるブタジエン、イソプレンを高い収率で製造する、2つの高度な技術を確立し、2030年代に社会に実装することを目指します。(2022/2/21 プレスリリースより)

  • 光に適合したチップ等の高性能化・省エネ化不揮発メモリ開発

    日本ゼオンが有するカーボンナノチューブ(CNT)の関連技術を活用し、低消費電力化、大容量化やコストの面で揮発メモリ(DRAM)代替が可能な「CNTを用いた不揮発メモリ(NRAM)」を実用化するための技術を確立し、2030年代にNRAMを社会実装することを目指します。(2022/2/25 プレスリリースより)

  • MATURIプロジェクト

    MATSURIプロジェクトとは、藻類の大規模培養と事業化に強みを持つちとせグループが主体となり、様々な企業等とともに、藻類産業の構築を目指す取り組みです。日本ゼオンも参画企業の一員として、微細藻類を用い、太陽光をエネルギー源、CO2を直接原料とした、バイオプラスチックや機能性素材等の化学品、燃料、食品や飼料等の商業生産を通じた2050年カーボンニュートラル実現を目指します。(2023/3/27 プレスリリースより)

  1. NEDO = 国立研究開発拠点法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

経済産業省・資源エネルギー庁 「非化石エネルギー等導入促進対策費補助金」に採択

出光興産株式会社・東ソー株式会社・株式会社トクヤマ・日本ゼオン株式会社の4社は、経済産業省・資源エネルギー庁が公募する「非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(コンビナートの水素、燃料アンモニア等供給拠点化に向けた支援事業)」へ「周南コンビナートアンモニア供給拠点整備基本検討事業(以下、本事業)」を共同提案し、このたび補助事業者に採択されました。
本事業では、2030年までに周南コンビナートにおける年間100万超のカーボンフリーアンモニア供給体制を確立することを目的に、出光興産株式会社徳山事業所の貯蔵施設を周南コンビナートにおけるアンモニアの共通供給拠点として整備し、周南コンビナート各社(需要側)へのアンモニア供給インフラ検討を行います。また、今後4社は本事業をベースとして、実装置でのアンモニア燃焼実証等の様々な取り組みを通し、周南地区における国内初のアンモニアサプライチェーンの構築を推進します。(2022/8/30 プレスリリースより)

物流におけるCO2排出量削減の取り組み

当社は改正省エネ法で定める特定荷主として、製品や原料の輸送にかかわる協力会社とともに、エネルギー使用の合理化に取り組んでいます。これまでに、積載効率の向上や鉄道・船舶へのモーダルシフト、トラック・船舶の燃費向上などを検討し、実施してきました。
トラック輸送に関しては、2024年問題もあり、今後の輸送コスト抑制やCO2排出量削減を目指して国内長距離トラック輸送を鉄道輸送や内航船輸送にシフトしていきます。
事例としては、国内での一部原材料輸送において、コストアップを抑えながらトラック輸送を鉄道輸送に切り替えています。現時点で輸送量の半分を切り替えた結果、当社試算ではCO2排出量約38%削減となりました。今後全量切り替えに向けて取り組みを進めていきます。

モーダルシフトを行った場合の年間物流CO2排出量(当社試算)
モーダルシフトを行った場合の年間物流CO2排出量(当社試算)